手弁当とギャラリーと私
ギャラリーの形態にはいくつかあるが、日本では大きく別けると2つだと思う。
貸しギャラリーかそうで無いか。
貸しギャラリーはギャラリーをレンタルする。費用を払えば、そんなに見つける事は難しくない。
そうでないギャラリーの場合は、商業画廊とか企画ギャラリー、コマーシャルギャラリーなどと言われるが、内容は色々だ。
貸し画廊も色々、それ以外も色々。
ただ、貸しギャラリーと言うのは概ね日本にしか無い。と言うか、コレだけ多く存在するのは日本だけのようで、世界基準だと貸しギャラリーで発表している間はプロとは言われないようだ。
ただ、日本の場合は受け皿(コレクタ)の少なさと、日本人特有の技術力から、貸しギャラリーでも良い作品を展開してる作家も少なくない。
こういう作家を海外のギャラリストが目にすると「こんな良い作品を造ってるのに、なんであの作家は場所代払ってギャラリーを借りてるんだ?」とか「いい作品なんだから作家からお金を取らずにちゃんと売らなきゃダメだよ。」と言われる事が多い。
まぁ、海外から見てどうであれ、日本のこの現状はそう変わるものではないだろう。
そしてこれがダメなのかどうかは良く判らない。
時給800円のバイトやパートで成り立ってるような企業は潰れた方が良い。
と言う意見と
時給800円だって働く場所が無いよりマシだ。
と言う意見が対立するのと同じで、日本は今のところ後者を選ぶ社会だ。
お金を出したって発表する場所があったほうが良いと考えるのは当然かも知れない。
そもそも自由市場なのだから、需要があるから供給者が現れる。貸し画廊そのものは無くなるはずが無い。
問題なのは明らかに趣味のサークルが発表する貸し画廊と、可能性を持った若い作家が借りる貸し画廊の区別が無いことだろうとは思う。
実際はその区別はギャラリーごとにあるけれど、それはパッと見には判らない。世間から見たら判るはずも無い。銀座で個展でもしてたらなかなか凄いものだと思われる。小柳も貸し画廊も大して変わりは無いのだ。
趣味のサークルで発表してる作家と、一流の作家が、同じ銀座と言う土地で、ギャラリーと言う空間で展示をしている。世間からみると同じようなポジションに見える。だけど作品の質は明らかに何かが違う。
となれば、世間は置き去り。ますますアートは難しい。となる。
アートの中の人にも、貸し画廊をよく言わない人もそれなりに見かける。
確かに、NICAFがどうやって衰退したかを見ると、一括りにして批判したくなるのも、気持ちは判る。
さて、私もそんなに経験があるわけではないが、日本に貸し画廊が必要とされる理由はあるのだろうと思う。
海外のギャラリーで展示をする機会が増えて、海外のギャラリーもチェックしているが、海外にも大きく2つあるように思う。
一つは作家を抱え、フェアなどにも積極的に出て行く。もう一つは高級雑貨店的ギャラリーである。
私は後者のギャラリーでしか展示した事は無いが、後者のギャラリーでも結構売れる。日本よりは売れる。
作風やギャラリーの力と言うのもあるだろうが、やはり顧客が多いのだろうと思っている。
海外の場合は専属作家や取り扱い作家などの区別をせずに、毎月テーマに沿った面白い作家を集めて展示をすれば、それでもそこそこ売れて成り立つギャラリーもそこそこあるようだ。
日本でもこのやり方でギャラリーが成り立てば、貸しギャラリーも無くなる・・・と言うか、貸す必要がなくなるギャラリーも多いのだろうと思うが、もちろんそうはいかない。
供給過多と言えばそうなのだけど・・・。
手弁当。
最近はそれはカッコ悪い事のように思われているように見える。
貸しギャラリーもそうだけど、海外のフェアに有料出品や、海外有料個展、はたまた雑誌有料掲載から自費出版写真集まで。
良いイメージが無い。私も良いイメージは持っていない。
しかし、世界の村上とそのギャラリーがどうやって世界を目指したのかを見れば、手弁当以外の何物でもないのだ。
アートバーゼルを視察しにバーゼルへ行った時、近くの雑居ビルの地下でバーゼル・ジャパンと言うギャラリーサイズのフェアをやっていた。帰国して調べてみると、ネットサーフしていると良く見かける海外フェア有料出品代行のようなところの主催だったのだが、それでも日本の平均的なギャラリーよりも売れていた。
金銭を取って何かをしてくれようとするものに私も良いイメージは無いのだが、それ以来多少気持ちを改めた。
出品費用は妥当か。ちゃんと人選しているのか。
その二点をしっかり見極めるだけでもチャンスを見逃す事は減るだろう。
ネットで調べても情報は出てくる。
が
ネットも信用できたものじゃない。会うのが、一番早い。
チャンスはどこにあるかわからない。
みんなもっと自由に、潔癖症を治せば良いのにと、常々思っていた。
だから私からそうする事にする。
よって、BandH Galleryはキャリア不問。
もちろん、貸しギャラリーではない。かといって、何ギャラリーなのかはわからないが、これから集まる作家次第といったところだ。
ドシドシ自薦して欲しい。
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