BandH Gallery

Escape on the Edge

他人の感覚を変えるなんてできないよ

色んな原因があるとは思うが、日本にはあまり美術作品を所有すると言う文化と意識が無い事は周知の事実だ。
まぁ、貧富の差が少ない(飛び抜けた金持ちが居ない)からだとか、ホームパーティーが無いからだとか、家が狭いからだとか、自慢が好きではないからだとか、税制の問題だとか、昭和バブル崩壊の際に美術品が価値の根拠を保てなかったとか何とかカンとか。

とにかく日本人はすっかり美術品を買うという事に興味をなくし、近寄らなくなった。んじゃないのか。
それはともかく、そんな中にあって、「日本人のアートに対するメンタリティーを変えるんだ!!」と言う意見を耳にする。
私も昔はそんなロマンチックな事を考えてもいたし、それが理想だとも思っていたが、ハッキリ言って他人の感覚を変えようなんていう旅は果てしなさ過ぎる。そんな旅をするくらいなら、自分の作品が受け入れられる場所を探す旅をした方がよほど身になりそうだ。

私の作品は半分は国内、半分は海外くらいの割合でコレクションされているが、国内では好き嫌いが大きく分かれるようだ。
昔は私の作品に否定的な感情を抱く人を、どうやって振り向かせるかと言う事も考えていたが、今はそこにはあまり労力は割かないようにした。国外に行けば、売れる場所がまだまだあるのだから。

別に売れる事が全てではない。作品はコミュニケーションツールだとする意見にも賛成だし、何かを世の中に提示しているのだから、より多くの人の共感を得られるようにしていくべきだと言う意見にも賛成なのだが、自分を分かって欲しいとか、自分の意見を通したい、認めて貰いたいなんていう事には興味が無い。だいたいお前は何様なのだ。と自分に言いたくなってしまう。

事はもっとシンプルだ。
自分が生きている間に、自分の作品がどの程度世界に受け入れられるか。

その世界と言うのは、ある特定のコミュニティーと言う意味の世界ではない。
Worldだ。

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