言葉を交わして、ある時、ぷっつん。
募集を開始して、3週間ほどが経つだろうか。
相変わらず、中心からは若者が多く、辺境からは中年が多い。
メンバーとして迎えるのであれば、ほんとは会った方が良いのだろうが、会っている時間も無い。更に遠方となれば。
募集要項には無いのだが、熱い思いや、自分なりの言葉を添えて送ってくる者もいて、このあたりは以前にも書いたが、世の中行儀良くばかりいては、伝わらないもので、勢いなど、熱意の伝導が必要なときもある。駆け引きというものかもしれない。
作品を一見して気に入る。あるいはドキッとさせられるようなものは未だ無い。
確かに、思い返せば、そんなに熱心なギャラリービジターでは無いが、十年くらいは中心のギャラリーをポツポツ歩いてきたが、やはりそんなに気に入るものは無い。
そもそも、私が気に入ったところで、私に審美眼があるわけではない。私が個人的に気に入るかどうかは大した問題ではない。
いつも言うが、色味とテーマと要素、あとは、同じ方向を向いているかと言う事だ。
そして、これを確認するには言葉を交わすしかない。
そもそもWordpressの勉強がてら、架空のギャラリーを設定し、詳細を考えるうちに実験的に、遊び感覚で始めてみてもいいかと思えたので、メンバーも募っているのだから、現状どれだけ最弱ギャラリーで、将来像はあるけれど、実現できるかも約束なんてできるものはない。何だかリスクだけが目立つようなギャラリーである事を理解してもらう。
それでも、一緒にこの壮大な遊びに付き合ってもいいと言う作家でなければ、一緒にやって行くのは無理だろう。
しかし、多くの応募作家は、企画ギャラリーに取り扱われる事がどういう事かを理解していないようだ。
ブランド戦略や、作品の管理もそうだが、国内のギャラリーとアーティストは“信頼関係”と言う極めてあやふやで曖昧なもので繋がっている事が多く、この言葉を、時に素直に美しいものと捉えている者もいれば、時に自分の都合の良いように解釈している者もいて、それは当たり前だろうとは思うが、これはきっとギャラリー側も同じ事なんだろう。
ギャラリーとアーティストはよくトラブルが、その多くがこの言葉の意味の解釈の違いなのではと、今は思っている。
私は全て説明するようにしている。
どうしてギャラリーを始めようと思ったのか。どうしてこのような形で始める事になったのか。
その過程で応募者が抱いた疑問質問にも、できる限り丁寧に答えるようにしている。
目の前の餌に飛びついてくるような作家は必要ない。
グーグルアナリティクスをチェックしていれば、応募してきた作家がWEBサイトのどのページを見て来たのかは、だいたい見当が付く。
中には募集要項だけを見て送ってきてるような者もいる。
どんなギャラリーかチェックしないで大丈夫なのかと、こちらが心配になる。
後々、面倒な事になっても困るので、説明するようにしている。
中には、説明をすれば、熱心に、自分の考えを語りだす者もいて、こういう作家とは、メンバーとして一緒に活動はできなかったとしても、出会えてよかったと思える。
しかし中には、ある時ぷつっと、メールが来なくなる者もいる。
質問ばかりぶつけてきて、えらくぶっきら棒な者だと、ドッと疲れるが、人間関係などと言うのは、どう始まるか、どう終るか、が、信頼関係が構築できたかどうかの結果だろうとは思う。時間の長さは、さほど、関係が無い。
私の力不足と言う事もあるだろう。
相手の指先を、メールを打つ程にも動かす事ができなかった程度の言霊しか持ち合わせてはいないのだ。
とは言え、今更、文章力やら言語力を鍛える気は無い。
共に作り上げるギャラリーとは言え、私のギャラリーだ。
藤津 恵
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