BandH Gallery

Escape on the Edge

全てはGAMEのように。

私がBandH Galleryの運営を遊びだという事に、多少の違和感と不安を感じている応募者もいるようだ。
その応募者も二桁に乗ってきたが、面白いのはホンの一部だ。
まぁ、何度も言うが、私が面白いと思うかはどうでも良い。面白いと思ったところで、なんの保証も無い。
逆に言えば、面白くなくてもいい。思いと、作風が合えば。

私は思いっきりゲーム世代だ。
若い頃はゲームセンターに入り浸った時期もある。今のようにゲームセンターが明るく、開けた場所で、デートスポットに成り上がったのも、その頃だ。予備校のあった池袋のとあるゲームセンターでは、名前を勝手に付けられ、私の周りにはオタクな女の子のギャラリーができ上がった。
しまいには、顔も割れて、私が座るとチラホラ寄って来るものも居た。
もちろん、ほとんど負けたことは無い。

そんな私がゲームをやらなくなったのは、、、、というよりもアートと言うゲームを始めたと言った方が正しい。
どうすればアーティストになれるのか。どうすれば百貨店で展示できるのか。どうすれば売れるのか。どうすればアートフェアに出れるのか。
目標を立てて、逆算して、自分が歩める道順を決める。
楽に歩めても、遠すぎては困る。時間が掛かるからだ。
ギリギリ歩めそうな道を見つける。そして、その為に必要な装備を揃える。それは技術だったり、話術だったり、情報収集力だったり。

始めは山のふもとから登り始めるから、選択肢も多い。
勾配も緩やかだから、ピクニック気分で、少し歩けば景色が変わって、変わる景色も楽しむ余裕がある。
だけど、一通り、最初に立てた目的地、百貨店やフェアや販売する事を経験すると、それが山の中腹にも満たない事を知る。
想像していた眺めでは無い事を知ったのだ。
それからの山登りはキツイ。勾配はキツクなるし、歩く選択肢も狭まる。
山登りなら天候に左右されるように、運というものも必要になる。
シェルパはコレクタのようなものだろうか。と言うと、シェルパが単に荷物持ちだと思ってる人間から批判されそうだが。
シェルパが犠牲になる事がある。その犠牲の上に、登頂成功があったりする。
コレクタが増えると、作品の価格にしても、作風にしても、コケる事が怖くなる。
コレクタの応援に応えたくなって、頂上しか見なくなる。周りの景色を楽しむ余裕がなくなってくるのだ。

そうは言っても、平均して年間に10作品売れるかどうかの作家が、そこまで必死になる必要は無いのかも知れないし、その程度で必死になるようではダメなのかも知れない。が、まぁ、自分は天才ではないとは思っている。
ただ、人間、楽しめないとダメになる気がしている。無理がくるのだ。
もちろん、作家としては今は面白いとか言ってられないと思っている。しかし、人間としては人生を楽しまなければならない。
その楽しみの部分をギャラリーでやってみたい。
なんの責任も感じずに、自由に。目標を定めて、後はGAMEだ。
目標をどう攻略するかを考えて、実行する。

作家と違うのは、作家はアクションRPGのようなものだが、ギャラリーはシュミレーションかRPGだろう。
パーティを組む必要がある。
だから、思いを同じくする仲間が必要なのだ。
思いが同じなら、作風は合わなくてもいいと言う意見もあるかも知れないが、ファイナルファンタジーの中にいきなりドラクエのキャラが居ても違和感があるだろう。鉄拳の中に、モータルコンバットのキャラが登場するのも困ったものだ。
洗練されれば、そういった違和感は排除される。だから今からある程度は絞るのだ。

ただ、洗練されようがされまいが、遊びの隙間が無くなったら、それ以上の成長も無い。
最近はそれも視野に入れて、多少は取り扱いの作家の幅も広げようとは思っている。

藤津 恵

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